なんとかして独立した「男の部屋」をつくることを考えてみょう。「男の部屋」といっても、そのあり方はさまざまだが、そのすべてを検討するわけにはいかないので、ここでは一般的に要求が多い、書斎的な「男の部屋」を中心にして考える。それも、著述を業とする人の仕事部屋としての理想的な書斎ではなくて、ごく普通の知的人間が限られた面積の住宅の中につくる書斎の現実的な条件の検討をしよう。現実的という前提でやや乱暴な言い方を許してもらえば、現在の住宅状況の中で「男の部屋」をつくろうとするならば、どんな部屋でもありさえすればよいという点から出発すべきだろう。
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たとえば配置について考えると、書斎的個室は、なにも南側の陽当たりの良い場所である必要はない。こうした場所は居間や子ども部屋などにあけ渡すべきである。個人差はあるだろうが、昼間、普通の職業を持っている人が書斎に籠るのは、圧倒的に夜が多いから、陽当たりなどはある程度無視できる。位置について注文をつけるなら、家族の主要な動きから離れた静かな場所ということぐらいだろう。トイレの排水音は夜になると意外に大きく響いて気になるので、壁一つ向こうがトイレという位置は避けた方がよい。