平成二(一九九〇)年一月の株式相場の暴落から始まったバブル崩壊から、平成一六年で一四年がたつ。だが、土地バブルの教訓は決して過去の遺物ではない。なぜなら、銀行が融資先に困り、「カネ余り」の状態にあることはいまだに変わっていないからだ。現に、多くの銀行や生保が預金を運用しきれず、仕方なく値下がりリスクを覚悟で国債を抱え込んでいる。かつての土地バブルは国債バブルに姿を変えているだけだ。ここで一度、日本中の金融機関がバブルの発生時から、審査部門をどのように扱ってきたか、それがバブルと不良債権の形成、崩壊にどのような影響を与えてきたのか、つぶさに検証してみるべきではないだろうか。バブル崩壊後、新聞紙上では「A銀行審査部を復活」「B銀行審査課を部に昇格」といった見出しをよく目にした。こうした記事を見ていると、その銀行が過去、コンサルタント会社の甘言に惑わされていたことがよくわかる。バブル期の融資競争では、銀行同士だけでなくノンバンクも参入した。ノンバンクは不特定多数から金銭の預託を受けることはできないが、金融機関から融資を受けて、それを法人や個人に貸し付けている。リース会社、不動産金融会社、消費者金融会社が、不動産融資に積極的だった。当然、ノンバンクは融資姿勢が銀行と異なり、柔軟で、利益を得られると見込めば何でもありの姿勢だった。七〇%の掛け目を大甘にしただけでなく、融資期間を五〇年、一〇〇年ローンと称し、ほとんど無期限、元本の返済は不要で利息さえ払ってくれれば結構、という貸し方をしていた。こんな商品と対抗できる商品開発をしなければ融資競争に敗れ、得意先をとられる。大半の銀行が融資条件を大甘にする。銀行はさらにノンバンクへも競って融資し、二重に不幸な結末を招くことになった。この傾向は長期信用銀行、都市銀行、地方銀行、第二地銀、信用金庫、信用組合の別を問わなかった。
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