ある地域に昔から定住する強固な地元層があるなら、その地元層の性格も非常に重要である。もしも外部者に向かって性格が閉じていたら、もうその街は終わりである。転入者に対してコミュニティが開かれていることは、非常に重要な要素なのである。よそ者をジロジロ睨みつけるような住民の住む街の寿命は、すでに終わっている。異質な価値観に対する地元層の許容能力は、街の文化経済的なポテンシャリティと直結している。街にも性格があり、能力があり、それを支える潜在力がある。それに加え、女性や子供、老人、障害者などにも優しい街は、誰にでも開かれた街であり、異質な人々の才能を伸ばす街でもある。犯罪が少ないことも重要だ。ハードだけでなくソフトの上でもバリアフリーが進んでいる街は、モラルの高い街であり、社会参加意識が高い。こうした文化レベルや民度の高い都市文明は、一朝一夕には創り出せるものではない。セメントと鉄筋で固められた人工的な街が逆立ちしても勝てない要素である。道路や箱物(建物)は人工的に創造できるが、都市文明は創造できない。建築技術や土木工学の知識では対処できない世界である。不動産の資産価値の本質が宿るのは、けっして物質的なモノではなく、目には見えないソフトウェアなのである。魂の宿っていない仏像を拝んでもご利益はない。
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