住宅計画の希望がキチンときまらないと資金計画はたてられません。そこで、まず、どんな住宅を建てたいのか焦点をしぼった具体像をきめなければなりません。そう考えた所で、資金計画は次の三つに分類してみることにしました。(1)節約タイプの何とかなる予算通りの家にしてしまう。(2)ほしい希望は、どんなに高価でも借金しまくって、何とか建てる。(3)建物だけ、これから先必要なスペースまで見込んで広く、ガッシリつくり、内装や設備については、後々加えていけるように考たてつくる。以上の三タイプです。普通、一般的に考えれば、それほどありあまる予算でつくるということはないでしょう。何と言っても、予算か厳しくきめられているはずです。したがって、だれもが、ほしいものがあっても、ぜいたくはできないと、あきらめてしまうのです。だから、三タイプの項目では、(1)のタイプが圧倒的に多く、(2)のタイプは少ないのです。ごくたまに(2)のタイプがあっても、返済できずに途中で手離すことになってしまうケースも多いようです。そこで、(1)と(2)が両極端だから、(3)がその両方の妥協点なのだと思いました。たとえば(1)の場合は、厳しいあきらめで、限られた予算で家を建てるのですから、ある程度まとまりますが、ちっとも楽しくないし、素敵な家はできないでしょう。逆に(2)の場合は、確かに豊かで楽しい家になるでしょうが、重い借金で精神的には豊かではないし、楽しくはありません。なぜ家など建てたのかという気持ちになってしまいます。そこで(3)の妥協案について考えてみましょう。この(3)タイプの住宅は、とにかくできるだけ広い家を建て、使わない空間は仕上げをしないでおくということです。たとえば、最初は夫婦+子どもだったから一室は空室でおき、後に老人をひき取る時、はじめて仕上げをするということです。また、子どもが小さければ、子ども室のスペースだけは最初からとっておき、そこは壁紙も貼らずに遊び場にしておくのです。つまり、最初は少ない予算で家をつくり、だんだん資金がたまったら次の計画を実施していくという考え方です。そうすれば、その時その時で住み方が変る、ライフサイクルの変化、年代によって好みが変ることなどに、たくみに合わせた住まいづくりができます。(1)のタイプは、日本人にもっとも多いタイプです。(3)のタイプは、欧米人に多く考えられるタイプです。(1)のタイプは、自分のやれる範囲でやるので「走り幅跳び方式」。(2)のタイプは、やりたい希望を、無理を承知でやってみるわけだから、周囲のあらゆる助けが必要で「棒高跳び方式」。(3)のタイプは、(1)と(2)の両方の良さを上手に活用し、何回もゆっくり跳べるように「三段跳び方式」と名づけました。もちろん、この(1)のタイプか(2)タイプか(3)タイプか、どれにきめるかは、返済中に長期間家族がどう変化するか考えてほしいのです。前にも述べたように、子どもの学費、結婚の費用など最初からわかるはずですから、そうした費用については資金計両に最初から加えておきたいものです。
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