変身を遂げた環二の計画に対して、同じく1946年に都市計画が決定した環状八号線(通称「環八」)は、決定から60年を費やし、2006年5月にようやく全線開通にこぎ着けました。こちらは環二に比べるとはるか郊外に位置しているのですが、昭和40年代に入って東名・中央・関越といった高速道路の結節点としての重要性が高まるころには、周囲はすっかり宅地化して用地取得が難航してしまいました。1964年の東京オリンピックに向けて、首都高速道路や一つ内側の「環七」(環状七号線)に重点が置かれたために、整備が遅れてしまったともいわれています。もともと首都圏に集まる高速道路は、「圏央道」(首都圏中央連絡自動車道)や「外環」(東京外環自動車道)などの郊外の環状高速道路で連結され、通過交通は都区内には入ってこない計画でした。こういう計画は諸外国でも基本中の基本で、ロンドン、パリ、ソウル、北京、上海などの世界の主要都市では大体その通りに実行されています。国土交通省でも、「日本と欧米諸国の環状道路の整備状況は大きく異なって」いるといっています。首都圏では「三環状の計画から40年以上を経て約40パーセント程度……(中略)。一方欧米では、ロンドンでは100パーセント、パリ、ベルリンでは約90パーセントの整備が完了……。また、アジアの主要都市でも、北京、ソウルは整備か完了」(国交省関東地方整備局ポータルサイトより。(「三環状」は、圏央道、外環、および首都高速中央環状線を指す)といった状況です。外環はどうにか常磐・東北・関越の各高速道路をつなぎましたが、そこで頓挫し、圏央道は各所で難航しています。地域住民や環境団体までか「公共」「公益」を掲げて建設に反対し、どこに本当の「公共」「公益」があるのかを争っている状態です。このため環八は、今でも第三京浜・東名・中央・関越の各高速道路を結ぶ唯一の主要道路として、慢性的な渋滞が続いています。そこでは明らかに、公共の利益が損なわれているといっても過言ではありません。
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